【公式な書体と普段着な書体とは?】綺麗な字を書くために知っておいてほしい事

書全般

「楷書」はフォーマル、「行書」はカジュアル

今回は「書体の使い分け」というお話です。

まず

「楷書」はフォーマル(公式)な書体

「行書」はカジュアル(普段着)な書体

 ということが言えます。

「楷書」はフォーマルというのは、そのままの意味で「公式な」とかそういう意味になります。入学式とか卒業式でスーツと着るようにきちんとしたイメージです。

「行書」のカジュアルというのは、よそ行きではない普段着みたいなイメージです。家の中で過ごしたりする時は、スーツなんて着ませんし楽なカッコウでいます。

ではこの2つの書体を使い分けようとするときに、こちらの記事でお話しましたように

日本語は、「漢字(楷書・行書)」「ひらがな」「カタカナ」の3(4)種類を使って表記する

ということでしたがここで問題がでてきます。

「ひらがな」は草書体、調和がムズカシイ。。

こちらの記事で「ひらがな」は草書体であるとも書きました。

草書体はよく「くずし文字」とか言われるように曲がった線で多くが書かれています。要は曲線が多いってことなんですが、逆に「楷書」はまっすぐで直線的な線が多いですよね?

なので、「楷書」と「ひらがな」で日本語の大部分はできています、が、

この2つは、そもそも相性が悪いんです。

「直線的な楷書」と「曲線的なひらがな」の2つを

うまく調和させて美しく書くこと

この難易度は相当なもんです。

偉そうな言い方かもしれませんが、これはある意味で、昭和~平成~令和に生きる書道家達に課せらせた命題だと思いますし、私も一生をかけて追いかけていきたいテーマです。

ところで、中国語は漢字だけで表記します。書道のお手本も、漢字オンリーなわけですが、

実を言うと、「楷書だけを並べてきれいに書く」のは、書道の中では一番ムズカシイことなんです。

他の書体は、それなりに上手っぽく見えるんですが、

「楷書」が一番ムズカシイ

書道家の技量が一番分かる書体だったりします。

ちょっと脱線気味ですが、要は、

「楷書」だけでもムズカシイのに、

「楷書 + ひらがな」はもっとムズカシイ、

ということです。

それだけ日本語は美しく書くことがムズカシイ。

なので、字が下手だ…とか思っている方がいたら、そもそも書道家ですらなかなか上手くいかないんですから言語としての難易度は相当に高いということを知っていただきたいです。

「行書」と「ひらがな」の相性は抜群

そこをいくと、

「行書」と「ひらがな」は相性が良いです。

「行書」は「楷書」をサポート(補助)するようなポジションで産まれた書体で流れのあるの曲線の多い書体です。

早く書く事に振った書体です。

なので草書から産まれた「曲線的なひらがな」との相性は抜群です。

(ちなみによく間違われますが「草書」は「行書」をくずしてできた書体ではなくて「隷書」から産まれました)

結局はケースバイケースで使い分けが大事

例えば、言葉づかいにしてもなにかの式典のスピーチの時は

「私(わたくし)は~」とか言います。

でも普段、友達とかと話す時は

「オレは~」とか言います。

っていうように、話す時の言葉もその場その場で使い分けます。

字を書くときも一緒でなにかの公式な署名は

「楷書 + ひらがな(直線寄りの)」

普段のノートをとるメモ書きとかは

「行書 + ひらがな(いつもの)」

というような、使い分けが大事ということです。

そういった理解のもと日々の美文字の練習をしていくのも上達への一歩になると思います。

まとめ

  • 「楷書」はフォーマル、「行書」はカジュアル
  • 「ひらがな」は草書体、調和がムズカシイ
  • 「行書」と「ひらがな」の相性は抜群
  • 結局はケースバイケースで使い分けが大事

ということになりますが、

では「ひらがな」も「曲線的な」と「直線的な」

で練習する必要がでてくるってことにもなりますが

そこまではなかなか大変なので、

普段から、そういう風に心がけて書くと全体的な雰囲気が合ってくる

のかなと思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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