クセは直さなくても大丈夫!?ペンの持ち方の考え方

持ち方

ペンの持ち方に正しいとかは無い…?!

綺麗な字を書けるようになるためには「正しいペンの持ち方をしましょう」と言われると思いますし、そう思っている方も多いのではないでしょうか?

これはある意味で正しいのですが、しかし書の世界にはこんな言葉があるのです。

筆法(ひっぽう)に定法(ていほう)無し

というものがあります。

これは筆法(ひっぽう)というのは、筆(ペン)の持ち方、

定法無し(ていほうなし)というのは、定まった(=決められた)方法(持ち方)は無い。

という意味です。

言いかえますと「どんな持ち方でも良い」ということになるのですが、今回はそう言われるペンの持ち方・考え方について述べていきたいと思います。

私のペンの持ち方は間違っていますが…

まずは私のペンの持ち方がこちらなのですが、

ペンの持ち方1

ペンの持ち方2

上の写真が私のペンの持ち方になるのですが、一般的(?)には正しい持ち方のように見えるかもしれません。

ですが実はこれ、教科書どおりのお手本のような持ち方にはなっていません。少し我流が入っていて、直そうとしても直らなかったというのがホントのとこです。

どこがいけないのかと言いますと、親指を当てる角度がちょっと違っているのです。。

これは私が小さい頃から絵(とくにマンガ)を書くのが好きで「しゃっ、しゃっ」っと線を引くために自然とこうなってしまった持ち方です。

絵を描くための軽快な線を引くにはこの親指の角度が個人的に良かったのです・・・

間違った持ち方になるのでしょうが、私自身、書の道を30年以上もやってきて、ボールペン字なども師範をいただいてきているという事実はあります。

なので正しい持ち方でなくても良い、という事になるのではと思うのです。

実際のところ小さい頃からのクセになっている持ち方を直すというのは、簡単なことではないと思います。

人に教えてもらったり、写真を見たりして一時的に直して書くようにしても、すぐに自分の持ち慣れた持ち方に戻ってしまうのが実状なのではと思います。

ペンの持ち方のポイント

そんな実状があるので、正しい持ち方に直すというのは相当にハードルが高いのだと感じます。

そこで、正しい持ち方にパーフェクトに矯正するのではなく、

そのポイントを知って、それを自分の持ち方に反映させているのが良いと思うのです。

では、まずは持つ時ですが、

親指・人差し指・中指の3本の指で、

ペンを包み込むように持って薬指と小指は自然に添える感じに持ちます。ペンの持ち方

このときに、

掌(てのひら)の中にタマゴを持つようにイメージすること。

掌(てのひら)の力は抜いて、指先に(中指・人指し指・親指の3本に特に)力を入れて書く。

ようにして、そして一番のポイントが、

「力が抜けている部分」と「力が入っている部分」の両方があること、同時に行うこと

がすごく大事なことです。

たとえば私はピアニストとかではないですが、ピアノを弾くときもタマゴを持つイメージで、てのひらは力を抜いて指先に力をこめて弾くとか聞いたことがありますし、

また私は元剣道部員なのですが、竹刀を握るときに全部ギュッと握りしめてはダメで同じように力を抜くことと入れることを行って竹刀は持つと習いましたし、実際にそうした方が上手くいきます。

さらに私はギターとドラムをほんの少しかじっているんですが、

ギターの音を出す時も、手首は柔らかく、弦を弾くトコロは力を入れて、

ドラムのスティック(バチ)を持つ時も、同じく手首は柔らかくスティックを持つ指先は力強く握る。

これらの事と全く同じことが、ペンの持ち方に言えるのではと思います。

そしてこれは書道の専門用語で「虚掌実指(きょしょうじっし)」ということになります。

掌(てのひら)は虚(うつろ)にして、指を実(=力を入れる)にすることで上に書いたように、てのひらの力は抜いて、指先に力を入れて書く、という

理になった持ち方になります。

綺麗な字を書くにしても、何ごとにおいてもこの「理にかなった」というキーワードはすごく重要なことです。

お手本のような正しい持ち方にこだわりすぎない

ペンやエンピツの正しい持ち方にしなさいと言われる・・・

子どもの頃からの慣れ親しんだ持ち方で、今更なかなか変えられない・・・

そんな方も多いのかな、と思います。

なので、お手本みたいな正しい持ち方にこだわりすぎる必要はないと思います。

要は、

掌(てのひら)の中にタマゴを持つようにイメージすること。

・掌(てのひら)の力は抜いて、指先に力を入れて書く。

この2点が満足されている「理にかなった」あなたの持ちやすい持ち方であれば良いと思います。

もちろん正しい持ち方ができればそれに越したことはないのかもしれませんが、現実なかなかに無理がありますし、その必要もないのかなと思います。

なかなかイレギュラー考えかもしれませんが、一つの意見として頭の隅にでも置いていただけたら幸いです。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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