【篆書講座】水明(すいめい)セミナーに参加してみました

著者近況

篆書講座のセミナーに参加してみました

私は今現在(2022年)は京都に住んでいるのですが、京都では歴史の深い書道会に「水明(すいめい)書道会」があります。

そこが年に数回行っている「水明セミナー」という書道講座がありまして、先日その「篆書講座」に参加してみました。

京都でも歴史の長い水明書道会が毎月発行している競書雑誌。

私自身は常日頃から、すべての書体をそれなり(それなりです)に網羅したい!その先に日本語を綺麗に書く方法があるはず!という気持ちから、

日々の練習で篆書(てんしょ)から隷書(れいしょ)、草書(そうしょ)、楷書(かいしょ)、行書(ぎょうしょ)、仮名(かな)という、

6つの書体の古典(昔のお手本)をまんべんなく見て書くようにしています。

なので篆書の「線の引き方」(これがすごく重要…)は知識としてしってはいましたが、

実際に講師の先生が書いている所を見せてもらえるのは、ものすごく得るものがありました。

いつも書道の本の文章から推測して、仮説を立てて、実践してはいるものの、

百聞は一見にしかず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)

という言葉もあるように、100回の聞くよりも1回の見るの効果はバツグンです。

篆書体と漢詩のコラボの作品づくり

そしてもう一つ、

「作品づくり」の方法の一つ

をまた学べたとも感じました。

「清明」と大きく篆書体で書き、それにちなんだ漢詩を書いています。

↑講座のあった季節は5月ではありましたが「晴明(せいめい)」というのは、4月5日を表すのだそう。

でもまだまだ春なので、春にちなんだ「晴明節」ということで、まずは大きく「清・明」と書いたあとに、

晴明という詩題(詩のタイトル)の漢詩を書いています。

ちなみにこんな漢詩、

晴明(現代の4月5日の日)

晴明 時節 雨紛紛 (せいめいのじせつ あめふんふん)晴明の季節は、細かい雨がしとしと。

路上 行人 欲断魂 (ろじょうのこうじん こんをたたんとほっす)道ゆく旅人は、気が滅入りそう。

借問 酒屋 何処有 (しゃもんす しゅかは いずれのところにかある)ちょっと聞く、酒屋はどこにある?

牧童 遙指 杏花村 (ぼくどう はるかにゆびさす きょうかのむら)牛飼いの子どもははるかに指さす、アンズの花咲く村を。

という詩です。作った人は杜牧(とぼく)という方です。

一度練習に半紙に書いてみたものです。

このような季節に合った詩を象形文字(しょうけいもじ)というモノの形をかたどった文字、すなわち篆書(てんしょ)で書いて、

それに合った漢詩を添えるように書くのも、また一つの作品として鑑賞価値の高いつくり方だなと感じました。

日々の練習の中にも取り入れてみようと思います。

「南山(なんざん)」と「歳暮に南山に帰る」という漢詩を書いています。

他にもこんな感じで「南山(なんざん)」とそれにちなんだ漢詩を書いています。

興味のある方はぜひ!通信講座もあります

という感じで、

・実際に見て学べる

・作品づくりの一つを学べる

という意味でも、大いに意義ある講座だったと感じました。

なにより字を書くのではなく、言葉として書くという、書の原点を改めて感じられた気がします。

水明セミナーは篆書(てんしょ)だけではなく、他の漢字や仮名などの講座もあります。

(私は水明書道会の回しモノではありませんが…)ここを読まれたあなた、もし京都や関西近辺の方であればぜひ一度は参加されてはいかがでしょうか?

ちなみに遠くの方でも、3名程度には通信講座も行っているようです。

「京都 水明」とかで検索するとすぐに出てきますので、興味が湧いたらホームページだけでもご覧くださいね。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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