【姿勢という土台】綺麗な字を書くための秘訣

姿勢

一番大切な書く時の姿勢

「書」という字を書く時にそもそも一番大事なのは書いている時の姿勢になります。

これは書に限ったことではなく、絵を描くにしてもスポーツをするにしても料理をするにしても、何か作業をする時の「手に何かを持って何かをする時」というのは、姿勢・構え・フォームがとても大事なことです。

この記事ではそんな大事な姿勢について、そしてそれに基づいた書き方について述べていきます。

大事だと分かっちゃいるけど直らない「姿勢を正しく」

「姿勢を正しくしなさい」

「背すじを伸ばして姿勢よくしなさい」

これを言われた事があるのは一度や二度ではないと思います。

特に親や学校の先生からは口うるさく言われる事・言われてきた事も多いと思いますが、でもそうは言われても、ついつい前かがみになってしまって、言われた瞬間に正してもすぐに戻ってしまいます。

若いときはとくに、反発心もあってなかなかできるもんじゃないと思います。

それはもちろん私もそうでして、ついつい前かがみになり、猫背になってしまいがちです。ですが…気付いてしまったことがあるのです。

綺麗な動きの土台になるのが姿勢

それは綺麗な字を書くには、綺麗な形を知ることはもちろんなのですが、

それ以外に絶対にはずせない要素として、

綺麗な動きをする必要

があります。然るべき動きができてこそ、綺麗な字が書けるのです。

ですが、その綺麗な動きをするためには、

ちゃんとした姿勢という土台が必須

なのです。

ボーリングの球が常に乗っている

ところで人間の頭の重さは、ボーリングの球ほどもあるという話があります。

ボーリングの球というと8~10キロとかあるそうですが、たとえばお米5キロの袋を持つとかなりの重さです。その2つ分が常に肩に腰にズシリと重さがかかっているというのです。

なんでこんな話をするかというと、若い時はあんまり直せなかった姿勢の悪さがある程度年取ってくると、肩こり・腰痛という形で出てきます。

姿勢良く普通にしていても10キロの重さのあるものが常にかかっているわけですが、ではそれがきちんと伸びていない、曲がっている首や背中や腰にかかり続けていると…?

もうお分かりのように、真っすぐにしていないだけでその重量が変にかかってしまって、曲がっている身体のアチコチが悲鳴をあげてきます。私は医者や整体師とかではありませんが、長年の姿勢の悪さが肩コリや腰痛の一つの原因になっているのは疑う余地はないと考えられます。

綺麗な字を書くという事と関係の無い話のように聞こえるかもしれませんが、綺麗な動きはちゃんとした姿勢やフォームからという事を逆に考えると、単純に姿勢を良くするように普段から心がければ良いと思うのです。

でも若い時からすら直らなかったその姿勢はどうしたら良くなるのか?といいますと、ひとつ私がイメージして心がけていることがあります。

頭を宙づりにしているイメージ

よく言われている事なのかもしれませんが、

頭を宙づりにしているイメージ

で書く時も普段の生活も心がけるようにしています。

「前かがみになっている…」 → 「姿勢よく姿勢よく!」

よりも、

「字を書いてて目が近い…」 → 「背すじを伸ばして!離して!」

よりも、

「背中が丸まっている…」 → 「あ、伸ばさなきゃ!」

よりも、

単純な心がけとして、頭の上が常に引っ張られているといった、宙づりになっているというイメージでいる

と、自然と背すじも伸びて姿勢が良くなってきます。

それでも知らず知らずのうちに曲がってしまっている事もまだまだ多いですが、この心がけでマシになってきたのは事実です。

そしてこの心がけ一つで、字を自然と綺麗になってきているのは実感としてあります。

私は長年、書の古典と呼ばれる名品ばかり見ているのですが、やはり綺麗な動き・自由自在な動きで書かれている事が分かってきます。そのため姿勢よくというのは逆に必然とも感じます。順番が逆なのです。

まとめ

以上、姿勢についてでしたが、これらのことは綺麗な字を書くための秘訣と言っても過言ではありません。

順番が逆と書いたように、姿勢の良さが字の良し悪しを左右するとも言えます。

また姿勢の良さは美容にも良いと聞いたことがあります。美容と綺麗な字を書けることはすべて繋がっているとも思うのです。

ぜひとも普段から「宙づり」を心がけるようにして、姿勢の良さや綺麗な字を手に入れていただければと思います。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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