綺麗な文字の書き方(97)【中鋒というベース音】

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筆で線を引く引き方には、

・中鋒(ちゅうほう)…筆の一番長い毛が線の中心を通る

・側筆(そくひつ)…筆の一番長い毛が線の上側を通る

の2つがあります。

これは厳密には、行書と草書・仮名でのみこの2つを併用して書きます。

篆書・隷書・楷書はほぼ中鋒で書くべきです。

この中鋒というのは、音楽で言うところの「ベース音」のようだと思うことがあります。

ピアノでは両手を使って弾きますが、左手はベース音を基本的には担当します。

ギターも6本の弦がありますが、1・2本目の太い弦はベース音を同じく担当します。

吹奏楽やオーケストラもベース音専用の楽器があります。

というように、音楽にはベース音という曲の裏打ちのようなパートが不可欠で、それは書も同じなのです。

いつの間にかこの中鋒というのは、日本の中では失われたものになっているようです。

教科書には載っていないから、学校の先生も知らない。

書道教室の先生のみが無意識にやっていて、それを意識的に教えている先生はあまり多くないのでは…と感じます。

この中鋒で線を引く方法は、訓練しないとなかなかできるものではないと思います。

楷書10年という言葉は、こういった部分も含まれています。

それでも、教えてもらい意識して書くようにするのが一歩だと思います。

音楽に必須なベース音である中鋒。

ぜひ意識的に訓練する事をおススメします。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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