ひらがな「ゆ」徹底解説
今回はひらがな「ゆ」です。
ひらがな「ゆ」は、私自身けっこう苦手で字で、苦手は人も多いのかな…と勝手に想像していますが、「ゆ」は数あるひらがなの中でも、ちょっと特殊な動きをする字になります。
「ゆ」はひたすら円運動という丸く書く動きのみで、直線のまっすぐな動きはありません。そういう意味では最も「ひらがな」らしい「ひらがな」とも言えます。
「ゆ」の極意は、くじらのシルエットを書くように心がける、ようにすれば良いと私の長年(?)の経験の中で編み出した攻略法みたいなものがありますが、そこらへんを中心にご説明&ご紹介していきます。
シルエットは丸い形
まずはシルエットとしての全体像をとらえていただきたいのですが、
ひらがな「ゆ」のシルエットは「丸い形」
になります。
丸い動きをするので、自然と全体のカタチも丸くなってきます。
そして私が密かに編み出した(?)攻略法みたいなとらえ方なのですが、
下手な絵で申しわけないですが、「ゆ」の1画目をクジラの絵を描くみたいなイメージでとらえるようにすると良いと思います。
「ゆ」は昔から、なんだかつかみドコロの無い字だと思っていまして、この1画目をバランスよく書ければなんとかなります。
この「クジラ法(?)」みたいなイメージで書くことを試してみるのをぜひおススメしたいです。
1画目のタテは左寄りからスタートして右下へ向かって
まずは1画目のタテに書く部分ですが、
左寄りからスタートして、少し右下へ向かって書く
ようにすると良いです。
・中心とシルエットをぼんやりとしてでも良いので、なんとなくイメージして
・○の左上あたりからスタートして
・右下へ向かって書いていく
ようにすると良いです。ここは先程述べましたクジラのしっぽの部分になるので、しっぽのナナメを書くみたいに少し倒して書くと良いです。
1画目の後半、中にタマゴがあるように
少しナナメらせて最初を書いたら、次はぐるっと回して書いていきますが、
中にタマゴの空間をイメージして書く
ようにすると良いです。
・タテを書いたあと、ちょっとだけ喰いこむように折り返して
・中にタマゴのカタチがある気持ちで
・ぐるっとリズム良く
書くようにすると良いです。
この後半部分はクジラの胴体の部分になるので、そんなイメージや気持ちで書くのも良いと思います。
1画目の終わりはゆっくり上にハネる
1画目の後半をぐるっとリズム良く回してきたら
最後はゆっくりと上に「ハネ」て
いくようにすると良いです。
先ほどのクジラ法でいきますと、クジラのアゴの下までを書いたら、そのままの勢いでくるっと回って上へスッと上げて紙から少しずつ離れていくようにすると良いです。
紙に触れる瞬間も大切ですが、紙から離れる瞬間はもっと大事ですので、ここのポイントに気持ちを集中させることは地味ですが美文字の極意です。
1→2画目の見えない画を意識
1画目を書き終わって慎重に「ハネ」たら
1→2画目への「見えない画」を意識する
ことがとても大事なことです。
音楽には「休符」という音を出さない部分がありますが、「音を出すトコロ」と「音を出さないトコロ」を合わせて1つの曲になります。
それと同じで、字を書くときにも「書くトコロ」と「書かないトコロ」が合わさってひとつの字になります。
なので「見えない画がある」ということを意識して、空中にペンで書くでも良いので、つながりを意識して書くことがとても大事です。
2画目は少し反らせて最後はゆっくりハラウ
「見えない画」を意識して書いたら、
2画目は、
・「見えない画」からの動きを止めないで自然に受けて
・くるっと回して、少し反らせ気味に
・最後はゆっくりと紙から離れていってハラウ
ようにすると良いです。
2画目はくるくると巻いて動いてきた勢いそのままに、またくるっと回して反らせ気味にしながらゆっくりと紙から離れていってハラウようにすると良いです。
「ゆ」を書くときはとくにリズムが大事ですので、勢いを止めないことをとくに意識して書くと良いです。
「ゆ」は「由」漢字の成り立ち
ひらがな「ゆ」の書体の流れは以下のとおりです。
「ゆ」の元になった漢字「楷書」は「由」です。
理由の「由」という字ですね。人の名前でもよく見かける字ですが、
「由」という字は、
【字義】
①よ‐る。㋐もとづく。㋑へる(経)「経由」。㋒たよる。従う。たより従う。㋓のっとる。手本とする。まねる。
②よ‐り。な‐お(なほ)…ごと‐し。
③よし。よる所。㋐わけ。理由。原因。「事由」㋑てだて。方法。
④ひこばえ。木の切り株からはえた芽。
⑤孔子の弟子、子路の名。
(国字)よし。伝え聞いたという意を示す語。多く手紙に用いる。…であるということ。様子。趣。「御病気の由」
【解字】
象形。甲骨文でもわかるように、底の深い酒つぼの象形。
「新 漢語林 米山寅太郎 蒲田 正 著」
というように字典には載っています。
甲骨文というのは、図にある篆書(てんしょ)のことだと思っていただければ良いです。篆書(てんしょ)にあるようにお酒の入ったツボのカタチを取ってきた字だというです。
ツボのカタチを取った字が、永い永い年月の間に「ゆ」という音にしようとなって、「よる」とか「よし」などの意味を表すようになったのでしょう。
ひらがな「ゆ」は草書(そうしょ)の「由」からきていますが、草書(そうしょ)の「由」を見ていただければ、ひらがな「ゆ」のもとになったことが分かると思います。
ムズカシイと言われるひらがなですが、ルーツとなる草書(そうしょ)のカタチを知ることもコツを得るヒントになります。
楷書・行書それぞれに合わせるには
楷書(かいしょ)と行書(ぎょうしょ)に合うひらがな「ゆ」を考えた場合ですが、
・「楷書」は「直線的」に
・「行書」は「曲線的」に
です。
あんまり変わりませんが…そういった気持ちで書くことが大事です!。。
ヨコ書きの「ゆ」を考えた場合
ひらがなを「ヨコ書き」で美文字を目指すときは問題になると私は考えているのですが、
ひらがな「ゆ」は、最後を左下にハラって終わる字なので、右へ右へと書いていくヨコ書きでは書きにくいですし、つなげにくい字です。
「ゆ」でもあちこちで言っている「流れ」というのは美しい文字・文章には必ずなければならない事です。
左下の方向にハラって終わる字ですが、「流れ」が途切れないように意識して書くようにすることが大事であると考えます。
まとめ
- シルエットは丸い形
- 1画目のタテは左寄りからスタートして右下へ向かって
- 1画目の後半、中にタマゴがあるように
- 1画目の終わりはゆっくり上にハネる
- 1→2画目の見えない画を意識
- 2画目は少し反らせて最後はゆっくりハラウ
ひらがな「ゆ」は、リズミカルにくるくるっと書くことが命です。
「由」という漢字のくずし文字である草書(そうしょ)からきていますので、「由」を柔らかくくずすようにリズムよく書くようにすると良いです。
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文字の形も、もちろん大切ですが、ペン先の微妙な動きにも注目していただけるとありがたいです。
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