下敷きを必ず使って書くこと
今回は美文字の知識ということで、とくにペン字を書く場合に知っているだけで必ず美文字に近づきます。
それは
「下敷きを必ず敷いて書く」
ということ。
そんなこと当たり前でしょ!なんですが、ではその下敷きの材質はというと
「なるべくソフトなもの」
が良いです。
なのでプラスチック製の硬いものよりも
「ソフトマット」とか「紙でできた下敷き」が良いです。
私も小さいころから「硬筆」を習っていまして、下敷きは「紙製の茶色い下敷き」しか使っていませんでした。(長く使っていると2枚に分かれてくるのが良い思い出です。)
それで、これはなぜかと言うと「紙に字が喰い込むように書けるから」です。
学校の授業で、彫刻刀を使って版画とかを掘ったことがあるでしょうか?
掘り込まれたような芯を喰った字は、美しい字になります。
そしてこちらの記事で書いた「トンスートン」の動作も、彫刻刀で掘る時の動作と同じになります。
「トン」で彫刻刀を当てて「スー」で掘りすすめて「トン」で削ったクズを落とす、と。
この感覚を紙の上でも意識してほしいのです。
野球で芯を喰った打球はホームランになるように。
テニスでもゴルフでも、芯を喰えば強烈な打球になります。
それと共通することだと、私は考えます。
刻み込むように書くこと
少し書道の歴史の話を聞いていただきたいのですが
今の時代でこそ当たり前に「紙とペンで字を書いて」いますが
ずっと昔は、「石(とか骨)にノミ(みたいなもの)で字を掘って」いました。
「紙が石」で「ペンがノミ」ですね。
ノミで石を引っ掻いて、字を刻んでました。
(ちなみに引っ掻くの「掻く」とか、欠けるの「欠く」は「書く」に通じているんでしょうね。)
なので書の原点はそこにありまして、
「刻むように、掘るように書かれた字は美しい」
のです。
なので紙に字が食い込むように書くためには、
ソフトな下敷きが良い、ということです。
下敷きが無い場合は、書く紙の下に「雑誌」とか「新聞紙」とかを敷いてもらってから書くようにする。
下が硬い机とかだと、字が上滑りしてしまって(ボールペンは特に)美文字にならないのです。
要は「紙に字を喰いこませる状態で書く」ことが美文字の知識ということです。
まとめ
- 下敷きの材質が大事
- 刻み込むような字は美文字
「硬筆」だとか「ペン字」というのは「平面的」と言いますか、あまり「タテの動き」というものを考える必要はありませんが、
「毛筆」ではこの「タテの動き」が非常に大事なポイントになります。
なのでペン字だとしても、今回の「掘り込むような字」という「タテの動き」も美文字に繋がる大事なことということを頭のどこかで意識していてほしいです。
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