綺麗な文字の書き方(83)【書で競うべきは、過去と未来の自分】

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これは私自身にも対する戒めとして、常に念頭に置いていることです。

「競書雑誌」というのがあって勘違いしがちですが、ついつい他人と競争してしまうという事があります。

本来「書」というのは他人と競うものではありません。

本当に競うべきは、過去と、そして未来との自分だと思うのです。

能力至上主義という教育、テストで何点取れるか?

取れなければ私はダメなんだ…

という環境があるのも事実なので、ついそう考えてしまいます。

それを「書」にも当てハメてしまい、他人から優位になるための道具としてしまいがちです。

でもそれは不毛ですし、そんな心持ちであってはいかに技術が高くなっても、

上手い字は書けても良い字は書けない、

と思うのです。

もちろん、競争心・向上心を否定するわけではないのです。

特に子どもの頃はモチベーションアップ・動機付けのためとして競書というのはあっても良いものだとは思います。

ですが大人になったら、ふと考えてみるべきと思います。

あの人よりは上手い、だから勝ってる…

昔の私もそうでした。

しかもそれを無意識のうちにやってしまうのです。

悟りを開くというわけではありませんが、そういった心のレベルから一歩引いて考えること。

書とは本来他人とは競うものではない。

競うべきは過去と未来の自分。

そういう心持ちで日々書に打ち込むことは、何よりも大切だと思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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