「ソーシャルディスタンス」よく聞く言葉になりましたが…
ソーシャルディスタンスというこの言葉、「社会的距離」ということで一定のキョリを守りましょうということですが、
このことを線の中、文字の中にも取り入れることが、文句なしに綺麗な字を書くための極意になります。
数ある美文字の極意の中でもこれはガチで大切なポイントです。
長年あたためていたこの考え方ですが、文章でどこまでお伝えできるかは分かりませんが、がんばって解説いたします。
線の周りを邪魔しないように書く
ひとことでお伝えすると、
線の周りの空間を大切にして書こう
ということです。
このことを守って書くようにすると、自然と綺麗な字に勝手になっていきます。
逆に守られていないと、あまり綺麗ではない字へとなってしまう原因になります。
上の図のように、一本の線の周りの空間を同じように、等しくなるように=空間を大切に書かれた文字は綺麗に見えます。
空間を大切に=キョリ感を守る
ということで、線のソーシャルディスタンスを守りましょう、ということになります。
一本の線の周りの空間を大切にして、キョリ感を守って書くこと。
これを心がけて、考えて書くようにすることが、綺麗な文字を書くための正真正銘の極意です。
例えると、引かれた線の周りに薄い膜(マク)ができているイメージです。
人は自分の1メートルの範囲に他人がいると、落ち着かないという話を聞いたりしますが、
あなたもそうではないでしょうか?私もそうですごく落ち着かないのですが、
画という引かれた線も同じで、マクが破られない範囲の一定のキョリ感で文字ができていないといけないのです。
特に毛筆では、線に太さが出てくるため、このことがさらに重要になってきます。
いろんな書の名品をよくよく観察していると、このことが守られているから美しく見えることが分かってきます。
字座(じざ)という事につながる
そしてこの線の周りを大切にして書くということは、字座(じざ)ということにもつながってきます。
字座(じざ)とは、書道にある言葉ですが、
読んだ字のとおりで、字(じ)が座(すわ)るという、
文字が取る空間
のことを言います。
このことは別な言葉でシルエットとも言えますが、
↑の記事もぜひ参考にしていただきたいです。
字を書きはじめる前には、その文字のシルエットをイメージしてから書くと良いですということを書いています。
このシルエットがそのまま字座(じざ)ということになるのですが、
線を組み合わせて文字はできますから、自然と取る場所というのができてきます。
ところで楷書(かいしょ)は実はすごくムズカシイと言われるのですが、
その原因の一つにこの字座の調整がとても大変というのがあります。
字座(じざ)という取る場所の大きさをそろえないと、こと楷書(かいしょ)においてはなんだか大きさがバラバラに見えてしまうのです。
「字座そろえが大変な楷書」と「ひらがな」「カタカナ」をごちゃ混ぜにして書く言語…
そんな日本語を綺麗にそろえて美しく書く……なんてことはホント神技だな、と私は密かに思ったりしています。
話がそれて申し訳ないですが、
ここでは字座(じざ)という言葉があって、線のソーシャルディスタンスを守ることでできてくる場所
という感じで覚えておいていただけると良いです。
まとめ
線のソーシャルディスタンス=線の周りの空間を大切にして書こう
ということでした。
人生でも他人とのキョリ感は大切ですが、書や字でも同じことが言えるというのは、なんだかおかしいような、でも上手くいく本質って同じなんだなと感じます。
舌足らずで申し訳ありませんが、そんな考え方があると思っていただければ幸いです。
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