漢字を最高の効率で学び、美しく書く方法はないものか?
という事を日々私は考えているのですが、
ようやくその問いに応えられそうな考えに至る事ができました。
漢字はおよそ6万字あると言われています。
そのうちで日本語を表す目安となる常用漢字が約2,000字。
その中に小学校で習う教育漢字が約1,000字。
この教育漢字1,000字をさらに突き詰めて、改めて効率良く学び、美しく書けるようになる事が近道だと考えています。
(図はなんだか目玉焼きみたいになりましたが、キモとなる黄身の部分を再度学び直すイメージです^^;)
とても良くできている学年ごとの漢字の配分
小学校で習う教育漢字1,000字を、分かりやすく小学校で初めて習う漢字として
小学校漢字と呼んでいきます。
この小学校漢字ですが、正確には合計1,026字あります。
この1,026字は、1年生は80字、2年生は160字、3年生は200文字…という風に、各学年ごとに教える文字が割り当てられています。
b4d69c53bf31e5f583c52263a2eadedf小学校で授業を教えるための指針・ガイドライン(学習指導要領)の中にこの学年別配当表というものがあります。
現在の小学校ではこの指針に沿って教えるのですが、この文字の配当がとても良くできていて凄いものです。
文科省から出されているので、当然よく考え抜かれて選ばれた漢字なのですが、何も考える必要もなくこれを学び直せば良いです。
どう凄いのか?の前に一つ知ってほしいことがあります。
漢字の成り立ちに種類がある
漢字の成り立ちというのをご存知でしょうか?
よく漢字の成り立ちに、例えば、月だったり山だったり、物の形から取ったもの(かたどったもの=象ったもの)という象形文字(しょうけいもじ)というのを聞いたことがあるかもしれません。
この「象形(しょうけい)」というのは代表的で広く知られているかもしれませんが、漢字の成り立ちの種類の一つになります。
種類の一つということは他にも種類があるのですが、全部で6種類あるとされています。
これを専門用語で「六書(りくしょ)」とか「六義(りくぎ)」を言ったりします。
全部を覚える必要はないのですが、この6つの成り立ちの種類をそれぞれ、
象形(しょうけい) = 物の形をかたどったもの 物の形をかたどったもの
指事(しじ) = 物事を指し示したもの(上とか下など)
形声(けいせい) = 形や音を表す文字を組み合わせたもの(左は左手と工(という道具)の組み合わせ)
会意(かいい) = 既存の意味ある文字を組み合わせたもの(休は人と若木の意味の組み合わせ)
仮借(かしゃ) = 既存の漢字から意味や用法を拝借してきたもの
転注(てんちゅう) = もともとの親となる字から子のような字を作ること(※成り立ちというよりは概念に近い)
と言います。
それぞれの意味は私なりに分かりやすく、すごくザックリと言ったものです。(専門家の方には違う!という方もいるかもしれません。特に転注など。)
成り立ちは大きく2つに分類
6つある成り立ちの種類ですが、
実際に覚えるべきはこのうちの4つ、
象形(しょうけい)指事(しじ)で1セット、
形声(けいせい)会意(かいい)で1セット、
あとの2つはスルーで…
・・・という風にとらえると覚えやすいです。
象形・指事はソロ文字(単独の文字)
形声・会意はコラボ文字(複数で一文字)
とも言えます。
漢字の成り立ちにはソロ文字とコラボ文字と、大きく2つの種類がある
という事を覚えておくと良いです。
漢字の8割以上はコラボ文字(形声・会意文字)
6万字あると言われる漢字ですが、
そのほとんどは形声・会意のコラボ文字になります。
ここで下の図をご覧ください。
私は常用漢字すべてをエクセル表にしたデータを無料で公開しておりますが、
これを基に常用漢字の文字すべて、六義に分類(漢語林を基にしています)して割合を集計して表示したものが上の図です。
(六義の分類には多様な意見があるようですが、私が長らく使っている漢語林から分類したデータになります。)
エクセルデータに一文字ずつ調べて地道にやっている中での体感として、
「成り立ちはほとんど形声じゃん…」
でした。
そしてたまに会意が出てくるぐらい。次に象形で、指事はほとんどありませんでした。(仮借は2コ、転注としては0。)
その体感どおりに、表のパーセント表示もそうなっています。
ザックリいうと、
象形・指事のソロ文字 10~20%
形声・会意のコラボ文字 80~85%
ということです。
そういうわけで、漢字は6万だろうが2,000だろうが1,000だろうが、チマタにあふれる漢字の8割以上はコラボ文字(形声・会意文字)ということになるわけです。
漢字も2:8の法則に当てはまる
2:8(ニッパチ)の法則というのをご存知でしょうか?
モノゴトの2割が8割を占め、その逆もまた然り(当然そうなる)ということですが、
漢字もこのニッパチに当てはまるようです。
漢字の8割以上はコラボ文字(形声・会意)でしたが、その逆である2割はソロ文字(象形・指事)ということになります。
8割以上のコラボ文字のモトになっているものは、当然2割のソロ文字なわけです。
ということは、この2割のソロ文字を覚え、学び、そして美しく書く方法を知れば、最高効率の近道になるわけです。
再び、学年ごとの漢字の配分をご覧ください
そういうわけで、再び学年別漢字配当表をご覧いただきたいのですが、
b4d69c53bf31e5f583c52263a2eadedfこれまでのことを知ってきた上で、次のエクセル表をご覧ください。
babe3d49326a26c56458be5bba8c8c18パラパラとめくっていくと、低学年は象形指事が多く、高学年にあるほど形声会意が多くなっていると思います。
(最初は赤い象形が多く、だんだんと緑と青の形声会意が多くなってきます。)
ここでもう一度先ほどの表を見て下さい。
常用漢字の象形は11.3%ですが、
教育漢字(小学校漢字)の象形は16.8%、
になっています。
小学校で覚えるべき漢字に象形を多く配分しているわけです。
象形指事で構成させるソロ文字2割を効率的に学ぼうとする場合、この小学校漢字を再度学び直すことこそが綺麗な漢字を書けるようになるための近道となります。
そしてその数はいくつか?という事になりますが、
小学校漢字の象形指事文字の数は、195字となります。
bb596e5008ceaaff55399a753e41f004エクセルデータから集計した数字なので、おそらく間違いはないかと思いますが、
195文字の約200文字の小学校漢字を学ぶことが、最高効率の学びになると思います。
6万字の中の2,000字、さらにその中の200字と考えると大分ラクになるのではないでしょうか?
そして私の今後の活動として、この200字をさらに選別した練習シートを制作し、動画で解説していきたいと考えております。
常用漢字の漢字パーツ(部首)のランキング上位を学ぶ
ここまでで小学校漢字を最後学び直すことの有用性はご理解いただけたかと思いますが、最高効率で漢字を美しくなるためのアプローチがもう一つあります。
再度ですが、
の記事に中にも示していますが、
常用漢字の漢字パーツ(部首)のランキングを集計したものの中で、
ランキング上位のパーツを学ぶ
ようにする事も効率的と考えます。
busyurankingランキング一覧表を再度掲載しますが、
常用漢字2,136字の漢字パーツ(部首)は205個あります。
その中の50位タイまでの約50個を学べば、常用漢字約2,000字の漢字パーツ(部首)のおよそ8割はカバーできます。
さらにこの50個についても選別を行い、練習シートの製作、動画解説を行っていこうと思います。
まとめ
漢字を最高の効率で学び、美しく書く方法
ということで、
・漢字の成り立ちにはソロ文字とコラボ文字と、大きく2つの種類
・漢字の8割以上はコラボ文字
・2割のソロ文字が8割コラボ文字を覚える元になる
・小学校漢字のソロ文字は約200字
・さらに部首ランキング上位のパーツ50個を学ぶともっと良い
というようになります。
200字とパーツ50個を深く学ぶこと。煎じ詰めるとこれに尽きてくる形となりました。
最短で漢字を美文字になる方法としてのアプローチ法の一つになります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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