綺麗な文字の書き方㉙【お手本は最大公約数】

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お手本は最大公約数

お手本は綺麗な字という、これを規範にして書くべしということを言われます。

「整斉(せいせい)の美」

という、整っていて、斉(そろ)っている美しさを究めたお手本の字というのは

ある面では規範となりますし、それをソックリそのまま書けるようになる事は大切なことです。

ですがソックリに書けたまま終わってはいけないですし、

完璧にソックリに書ける必要もないです。

例えば人の顔写真を重ね合わせていって、ドンドンと平均にさせていくほど、

均整のとれた美しい顔になると言います。

お手本の字というのもこれと同じことで、平均的な均整のとれた

最大公約数のような字になっています。

私自身、お手本の字を書くときに気をつけている事なのですが、

均整を重視したお手本にするよう心がけています。

個性を出さない字を心がけるとも言いますが、

クセのない無個性な字を書くようにします。

なぜかというとそれを見て書く方が、個性やクセの部分を強調して書かれてしまい、

そこばかりに注意して書く傾向があるのです。

とくに行書などで字画を省略する場合などはそれが多いようなのですが、

そこで散漫になるのを防ぐためにも、極力クセを減らして、

規範となる型(フォーム)を矯正するような字を心がけています。

これは裏を返すと、お手本は最大公約数という事になります。

そのためクセの無い、型を身に付けるには最高なのですが、

それを究める事は無個性へと繋がっていってしまいます。

そういった事をある程度分かった上で練習する事も大切だと思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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