当たり前すぎてあまり意識することがないかもしれませんが、
和紙(書道の紙・習字紙)に書くことと、
洋紙(普段目にするコピーやブリント用紙=普通紙)は、
書き味がまったく違います。
書き味が違うという事は、書いている時の感触も違うわけで、
書いた後の字の綺麗さ・出来不出来にも影響してきます。
これは特に賞状書きをしている時に感じることなのですが、
賞状や感謝状といったものは、洋紙(普通紙)に毛筆で書きますが、
これがまた感触が全然違うわけです。
そもそも和紙が毛筆で書くために特化して作られているのに対して、
洋紙というのは鉛筆やボールペン、万年筆などの近代(もしくは西洋)の筆記具で書くために作られています。
なので洋紙に毛筆というのは本来的にはそれぞれの良さを発揮できない状態で書いているという事をどこかで分かっておくのも良いと思います。
とくに「ニジミ」という和紙に毛筆で書いた時の何とも言えない雰囲気(=情趣)が書の良さでもあると思いますが、
洋紙に毛筆ではそんなものは必要ないし、そもそも出せない仕組みになっています。
また「カスレ」という墨がある所・ない所のコントラスト・対比も書の大切な要素なのですが、それだって賞状書きでは良くは言われません。
というような事からも、
洋紙に毛筆で書くことはそもそもミスマッチであるという事
というのは、現代の状況では仕方ない部分もあるかもしれませんが、どこかで分かっておく事も必要だと思います。
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