綺麗な文字の書き方(75)【穂先を出さない=書の奥義】

美文字レターバックナンバー

穂先という、筆の中で一番長い毛の部分=命毛(いのちげ)が、

線の外に出ないように書く。

このことは恐らくは聞いたこともないかと思います。

私は最近、篆書(てんしょ)という原初の漢字を本格的にやるようにしているのですが、

やりはじめてそうではないのか?

という事に気づき始めてきました。

篆書は穂先を絶対に出して書いてはいけない文字です。(なのでハネ・ハライが無い。)

筆の中で一番長い毛の部分=命毛(いのちげ)が線のほぼ中心を通る書き方、

「中鋒(ちゅうほう)」と言いますが、

その中鋒成分が100に近い状態で、どの線も書かなければなりません。

私は本当に美しい文字というのは、篆書の線の引き方をマスターしてこそと密かに思っているのですが(なので全ての書体をまんべんなくやるようにしています。)、

この線の引き方で、楷書や行書、草書を書くようにすると、また一段上の書が書けるようになると感じます。

書道をする方は、得意な書体だけをやるような傾向があると思います。

楷書から始めて、行書・草書をするというのは一般的です。

気を付けないといけないのは、

「隷書・篆書は書体やフォントの違いではない」

という事。

線の並べ方は時代とともに変化しても、

線の引き方だけは千年変わらない、

という言葉があります。

この不変である線の引き方を理解するためにも、篆書をやってみること。

何も大きな作品を書いたり、専門的な知識を勉強する必要はありません。

有名で好きな篆書を臨書するようにするだけでも良いと思います。

少しずつてもそうしていくことで、

「穂先を出さないことが書の奥義」

という事が実体験として理解できるようになると思います。

ぜひ、篆書もやってみる事をオススメします。

ひらがなを本気で綺麗になりたいあなたへ

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。字は誰でも綺麗になれる!という想いから分かり易い美文字法を発信していきます。書を始めて30年以上、脱サラして書で身を立てるべく京都の住まいから地元鹿児島へ戻りさらに奮闘中!書の勉強の果ての日本語を美しく書けるようになりたい!百聞は一見にしかず。動画にて美文字の解説しております。下↓のYouTubeボタンから、または「SYODOUGA」で検索下さい。

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP