綺麗な文字の書き方(72)【マス目の世界に囚われ過ぎはいけない】

美文字レターバックナンバー

学校では四角のマスの中に字を書いて練習します。

そして、いろんな美文字の教材もそういったものが結構多いです。

教える側としても習う側としても、

字を覚える、綺麗なカタチを覚える、

という意味では確かに便利で効率的なのですが、

ひとつ、どこかで分かっておいて欲しい事があります。

それは、

字はもともと四角ではない、

という事。

うすうす感じているかもしれませんが、文字はいろんな形になります。

象形文字というのを聞いたことがあるかもしれせんが、モノの形をかたどったのが文字の始まりです。

なので丸だったり、楕円形だったり、長方形だったりします。

そういうことから、あまりにマスにハメて練習する時間が長すぎると、

それに囚われすぎて変化の無い字しか書けなくなってしまいます。

私の実体験としてもそうなのですが、

習字教室では毛筆で半紙に四角マスの中に練習します。

それをずっとやっている弊害として、無意識のうちに四角マスに綺麗にハマるように書いてしまう。

もちろん、それが綺麗な字でもあり練習には必要なのですが、やはりそこから分かって脱出する必要があると感じるのです。

そういうわけで、四角マスはあくまで練習の都合、という事をどこかで分かって、

自由な文字本来の形でもって書くように心がける事も、本当の意味での綺麗な字に繋がっていくと思います。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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