漢字やひらがなに限らず、文字というものはそうなのですが、
タテやヨコ、ナナメや曲線を織り交ぜながら形作ってできています。
タテの方向、ヨコの方向、ナナメの方向と、
その向かっていく運動性というものを、本来的には全く違うもの同士を組み合わせて書く…
というとなんだかとても難しく感じますが、
要は、
白や黒、赤や緑、右や左、男と女、
…といった、性質的には本来全く違うものが織り交ざってくると、
素晴らしい物ができ、事が起こるという、そういった概念的な話です。
何が言いたいのかというと、中途半端がいけない、という事です。
ヨコの画はしっかりとヨコに。
タテの画はしっかりとタテに。
というと当たり前の事のように思いますが、これが意外とできていなくて、
どっち付かずな画になってしまっている事も字が綺麗に見えない原因となっていると私は思う時があります。
演劇に例えると、主役はしっかりと主役を演じきり、脇役もその役に徹しきるからこそ、
素晴らしい感動を得られるものができるように、
書におけるタテヨコも、それぞれの画がしっかりとその役を演じるように、
そういった意識でもってしっかりと書く、という事もとても大切です。
普通に字を書いているとなかなか意識する事ではありませんが、
タテやヨコの画としてしっかり成っているか?
という事に注意を払ってみながら書いてみるのも、良いと思います。
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