篆書をなぜ学ばなければならないか?
本質的に書を上手くなるためには、
・篆書の筆意
・隷書の情趣
・草書の筆勢
を身に付ける必要があるとされます。
その中でもまずはスタートとして一番大切なのが「篆書」です。
篆書の筆意とは、筆で字を書くこと、筆で線を引く事の原初を識るという事だと私は考えます。
私も最近、篆刻の真似事を始め印を掘るようになりましたが、形だけの篆書ではダメだと感じ、本当の意味で篆書をする必要があると感じています。
ですが一口に篆書といっても1,700年以上の歴史があり、その幅広さは5つの漢字書体の中でも一番のボリュームです。
篆書のどれから始めて良いのか分からない…という方も多いのではないかと思います。
最古の漢字辞典「説文解字(せつもんかいじ)」の540部首を書いてみる
そこである本の中に、篆書を学ぶためには、
・最古の漢字辞典である「説文解字」
・その中に篆書で540部首があるのでそれから習うと良い
というのがあります。
ちなみに説文解字とは、文(もん)を説き、字を解す、という意味なんだとか。
私はこの事が長年、頭の隅にありいつかやらなければ…と思っていたのですが、篆刻の道に入門し、良い機会なので本格的にやる事としました。
そして地道にやって作った資料があるので、それをシェアしたいと思います。
篆書が分かることは分かるけど…
先にネタばらしをしますと、
「説文解字540部首すべてに何という文字かを書き入れました。」
今回はそれをダウンロードできるようにし、篆書練習に役立てていただければと思います。(この記事の最後にダウンロードボタンがあります。)
f1ffde941a0b2528be899a0128bbeb2e説文の部首だけをみて540個の篆書パーツを練習するのも、それはそれは得るものも多いですし良いでことです。
ですが…
何という文字かが分からない。。
もちろん、いくつか分かるものはあるのですが、全く分からないものもあります。
それが嫌で、篆書の辞典の索引にあるナゾの番号を解き明かし、一つずつ書き込んだものです。
有名な篆書の古典を学ぶのもとても良いことだと思いますし、最終的にはそこをずっとやるべきだとは思います。
でもその前段として、これは辞典として作られているため部首を体系的に学べる絶好のものなので、これもこれでやってみる価値はあると思います。
上の写真は文字解読(おおげさ)をする前に練習で書いてみたものですが、元の字が分からないのがモヤっとしたため一つずつ書き込みました。
半紙に部首を4文字でも6文字でも拡大臨書してみると良いと思います。
(ちなみに画像は半切をヨコに書いていったものです。)
篆書を書くのは難しい。でも筆意を理解する必要がある。
篆書で字を書く、線を書くというのは難しいものです。
篆書はすべての線が中鋒(ちゅうほう)で書く必要があります。
それは筆で書くために絶対に外してはいけない要素です。
もともとは石や骨に刻まれた文字。
彫刻刀の一番尖った部分で線を引くこと、それを筆で再現すること。
難しいですが体得する必要が、本当の意味での書の理解には必須と思います。
なので始めに「篆書の筆意」と言われているのだと思います。
篆書の書き方も、隷書の書き方も、草書、楷書、行書、仮名…とすべては同じ線の引き方をする必要があります。(最近この事がやっと分かってきました。)
そんな篆書を理解するための練習の第一歩として、説文540首をやってみるのも良いと思います。
コメント