字と字が繋がっていること
今回は「流れというもの」についてのお話です。
美文字の練習をしている時の心がまえのひとつとして、
字の一画一画をただ並べて書いていくんじゃなく、
一画一画が繋がっているように
書くように心がけていただきたいのです。
そしてこれは、文章全体にも言えることで
字と字が繋がっているように
書いていただきたいのです。
こちらの記事でも書きましたが、
「見えない画」が大事なポイントである理由にもなるんですが
字と字の間にも「見えない画」があること
を意識していだだきたいのです。
一文字一文字の間、そして文章の1行目が終わって2行目に行くときも同じように。
私が習字教室に通っている時も、よそ見やムダ話をしないで書くように厳しく言われていました。
よそ見して書いたらすぐ分かるんだよ、と先生はおっしゃっていましたが、
よそ見して気持ちが一旦止まってしまうと、当然筆の動きも止まりますから、すぐ分かってしまうんですね。
これでは美文字になるはずがありません。
書道の専門用語に「気脈が貫通する」というのがありますが
一字一字はもちろん文章の始めから終わりまで筆(ペン)の動きが通っていること
がいわゆる「流れ」となって見えるのだと思います。
これは美文字になるために絶対に心がけていただきたいことです。
美しい流れが見えるからこそ、美文字に見えるということになりますから。
ここでも、「音楽」や「ダンス」「日本舞踊」と同じで、
美しい動き、流れが無ければダメなことに通じてくると思います。
私は書くとき、よく筆が舞うような動きを心がけています。
舞うような動きができていなければ、美しい文字にはならないと考えるからです。リズミカルにテンポよくを心がけています。
また、なかでも「仮名(かな)」「ひらがな」は特に流れが重要です。
こちらの記事でもご説明しましたが
「仮名(かな)」「ひらがな」は「草書(そうしょ)」から産まれた書体です。
「草書(そうしょ)」は「くずした字」ですが、くずしている分、速く書くことができます。
これは逆に、サラサラと速く書ける分「流れ」が無いと美しく見えないということになります。
「美しい流れを見せる書体」とも言えます。
特に「仮名(かな)」なんて「一行」が「一文字」と言えるぐらい全部が繋がっていますので
そんな「仮名(かな)」を極限まで省略した「ひらがな」も美しく流れるように書かなければ美文字になりません。
美文字の練習において「一画一画の配置」ということに神経を注いで
美しい文字のテンプレートをまずは知る
ということも大事なことですが、
その「一画一画」が繋がっていて文章全体を通る「美しい流れ」というものを意識して練習すると、美文字に近づけると思います。
コメント