【世界的名画も展示される美術館にて!】2022水明書道展に出品(作品備忘録)&会場に行ってみました

京都水明

私の書道教室でも活用させてもらっている月刊書道「水明誌

それを発行されている水明書道会が毎年主催している

京都でも屈指の書道展「水明書展

に今年は出品させていただき、そして展示されているということで会場へ行ってみました。

(今回の私の作品、タタミ一畳はあろうかという巨大な紙に6月~7月にかけて一生懸命書いたものですが、その備忘録&記念も兼ねての記事です。)

展示会場は京セラ美術館

展示会場は京都市京セラ美術館

にて行われているという事で、今回私は初めて行ってみたのですがその大きさと風格に圧倒されました。

由緒正しく、規模も凄い立派な建物です!

なんでもゴッホの絵も展示されるぐらいの格式ある美術館とのこと。

そういった場所での展示というのが、そもそも凄い事だと感じますが、水明書道会は今年で創立75周年とのことで、その歴史の長さを改めて感じさせられる場所でした。

出品作品(詩題:晩景納涼・漢字:隷書体)

と、さっそく私が出品した作品が以下のようになります。

作品サイズは書道展にはおなじみ(?)の2尺(約60㎝)×8尺(約240㎝)という下手するとタタミ一畳はあろうかという巨大な紙に書いたものです。

書体は隷書体。いろいろあって隷書体で行きましょう!という事になり、初めてこのサイズにこんなにたくさんの漢字を書いてみましたが、

結構な失敗を重ね「もうヤダ!」…と思った瞬間もありましたが、新鮮さもあり、今回知り合った方々への感謝の気持ちを込めて書けたのは良かったです。

ただ隷書なのでもっと字ペチャっと偏平にして、3行ぐらいで書くのがバランス良いかな…とは感じました。(会場で見てみて。)次への参考にしたいと感じました。

肝心の詩の内容は…

詩題:晩景納涼(ばんけいのうりょう)

作者は簫綱(しょうこう)という簡文帝(かんぶんてい)という三国・六朝時代の梁(りょう)という国の王様が詠んだ詩です。

五言古詩というちょっと変わったスタイルの漢詩で、5つの漢字で1つの句が12個の90文字あります。

晩景納涼(ばんけいのうりょう)≪夕暮れ、暑さを避けて≫

日移涼気散(ひうつりて りょうきさんじ)≪日が西に傾くと、涼しい気配が辺りに広がる≫

懐抱信悠哉(かいほう まことにゆうなるかな)≪(それにつれて)私の胸に抱く思いも、解き放たれる気がする≫

珠簾影空捲(しゅれん そらをかくすをまき)≪夕闇を区切るような玉のスダレを巻き上げ≫

桂戸向池開(けいこ いけにむかいてひらく)≪桂の戸は、池の方に向かって開いている≫

鳥棲星欲見(とりすみて ほしみえんとほっし)≪鳥が住み家に帰る頃、星が姿を現し≫

河浄月応来(かわきよくして つきまさにきたるべし)≪天の川が澄み渡る時に、月が空に昇る≫

横階入細筍(かいによこたわりて さいじゅんいり)≪小さなタケノコが庭の階段に入り込み≫

蔽地湿軽苔(ちをおおいて けいたいしめる)≪薄いコケが湿気を帯びて、大地をおおう≫

草化飛為火(くさはかして とびてひとなり)≪腐った草が化け、火のような蛍となり≫

蚊声合似雷(かのこえはがっして かみなりににたり)≪蚊の群れはブンブンと雷のようだ≫

於茲静聞見(ここにおいて しずかにぶんけんすれば)≪こうして、じっと耳を澄ませていると≫

自此歇氛埃(これより ふんあいやむ)≪一日を煩わせた暑さも、すっかり収まってしまう≫

この詩を選んだ理由→涼を感じてほしい

書いた字の内容として、一言でいうと「涼しさを感じてもらいたい」です。

この作品を書いたのはだいたい6月から7月のまだそこまで暑い時期ではなかったですが、

展示される8月は暦の上ではもうすっかり秋ですし、現実は実際のところ超猛暑です。

うだるような暑さのそういった時期に、観に来てくださった方に少しでも「涼」が届けば良いな…という気持ちで詩を選び、書いたものです。

そういった意味でいくと、本音としてはもっと薄い墨で書いて「涼」を強調した書きぶりで書きたかった気もします。

こういった書道展ではある意味競争の意味合いが強いため、墨を盛り盛りの限界まで入れて、相手に負けないように…という書き方をしなければいけない…というのがツラい所です。

そして書いた文字の意味、漢詩の意味を分かって観てくれる人はほぼ皆無なんだろうな…という事も。。

まあそうはいっても、このような格式ある場所で多くの人に観ていただくために、ある程度ルールには従わないといけないのも大人の世界です。

もし来年も出す機会があれば、自作の漢詩で、その詩に合った書体や書きぶりでやりたいな…と懲りずに思います。(例え自己満足でも^^;)

娘ちゃん(小学生)も出品!

私の書道教室では娘にも指導していますが、水明書道展は小学生でも出品できます。

毛筆と硬筆と出品しました。

記念にもなるので、来年からは私の教室の生徒さん達にもおススメしていきたいと思っています。

まとめ

という事で、自分自身の記録も兼ねての2022水明書道展の記事でした。

水明書道展は公募展ですし、一般的な公募といってもそんなにハードルは高くないと感じました。

なにより世界的名画の展示がされる場所と同じ所に自分の書いた作品が展示されるのは、

大人でも子どもでも一種モチベーションアップに繋がると思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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