ひらがな「ゐ」徹底解説
今回はひらがな「ゐ」です。
「ゐ」はパッと見「る」とか「ぬ」のようにも読んでしまいがちですが、「ゐ」は「い」と読みます。
現在の学校で習う「ひらがな」では習わない文字なもんですから、けっこうなじみの薄い文字だと思います。
私自身も「あれ?この字って何だったっけ?」と一瞬迷ってしまう文字です。
でも、ひらがな「や行」の「やいゆえよ」の「い」は「ゐ」になっていたり、芸能人の「よゐこ」さんの名前にあったりと、けっこう目にする文字だったりします。
小学校で習うひらがなとしては出ては来ませんが、教養を高める意味でも、なにより知っていてソンはないのでここで記事にしたいと思います。
ひらがな「ゐ」を書くときの一番の極意は「ぐるぐると止まらないでひたすら円運動をリズムよく書くこと」です。
その辺りを中心にご説明&ご紹介してまいります。
シルエットはオニギリの形
まずはシルエットとしての全体像をとらえていただきたいのですが、
ひらがな「ゐ」のシルエットは「オニギリの形」
になります。
あんまりなじみの無い「ゐ」ですが見よう見まねで書いていくと、自然と「オニギリ風」な形になるかと思います。
「ゐ」はひらすらクルクル回る
ひらがな「ゐ」は、
ひたすらクルクルと回して書いていく字
になります。
なのでそういった動きを心がけると良いです。
また、同じような動きをするひらがなに「の」や「ぬ」があります。
最初は水平だけど、すくい上げるように
まずは最初の部分ですが、
水平を守りつつ、少しすくい上げるように
書くと良いです。
あくまで水平は守りつつ、少しだけすくい上げるように書くのがコツです。すくい上げるからといって急な角度にするとバランスがおかしくなってしまいます。
途中で止(留)まるのもアリ
水平にすくい上げたら、
・やわらかく曲がる
・オニギリの左下に向かってタテぎみに
・回転中に一度止まる(留まる)のもアリ
の3つのポイントを押さえると良いです。
ひらがなを書く時のコツは「やわらかく書く」ことが大事です。なので曲りカドの部分はまるっこくしてやわらかく曲がるようにすると良いです。
やわらかく曲がったらオニギリの形の左下へゆっくりとタテ気味に降りていって、その時下に少し反らせるようにするのがコツです。
左下まで行きついたら、ここでもまあるく曲がって上へあがりますが、この時に一瞬だけ止まる(留まる)のもアリです。
ひらがながムズカシイ理由の一つに「一度で書くキョリが長い」というのがあるので、そこを上手く攻略するための一つのテクニックです。
わざわざ「止まる」「留まる」と2つあるのは、あくまで「休けい」であって完全に停止しないようにすることが大事です。
美文字の秘訣は「きれいな流れの動き」が紙の上で再現されていることです。
なのであくまで「留まって」一度手の体勢を整えてから書くようにすると上手くいきます。
交差点は直角ぎみを意識
後はまたクルクルっと最後まで書いていきますが、
・丸の中に空間を意識
・交差点は直角ぎみに
の2つのポイントを押さえると良いです。
クルクルと回りながら書いていきますが、その時に丸く書いてく部分の空間をしっかりと意識すると良いです。
また、「ゐ」では1ヵ所だけ線と線が交差する部分がありますが、ここを「直角ぎみ」を意識して書くと良いです。あくまで「ぎみ」で厳密に直角ではないのであまりこだわらないでいただきたいです。
最後にくるりと回って終わる部分も、中にしっかりと空間を意識して最後の最後も「直角ぎみ」にすると自然と中に空間ができてきます。
「ゐ」は「為」漢字の成り立ち
ひらがな「ゐ」の書体の流れは以下のとおりです。「ゐ」の元になった漢字「楷書」は「為」です。
人のための「為(ため)」、タメになるの「為(ため)」ですね。
「為」という字は、
【解字】
会意。甲骨文は会意で、爪+象。象はぞうの象形。爪は、手の象形。象を飼いならすさまから、人為的につくるの意味を表す。篆文の為は、それの変形。常用漢字は、爲の省略体。
「新 漢語林 米山寅太郎 蒲田 正 著」
というように字典には載っています。
「会意」というのは、字と字を組み合わせて作られた文字という意味です。
画像の篆書(てんしょ)を見ていただきたいのですが、ゾウさんに爪の形を乗せるような形に見えます。今はいないようですが、大昔の中国にはゾウがいたらしいことがこの文字から分かります。
ゾウを上手く飼いならすことで「手を加える」「人為的」という言葉も生まれて「人のため」という意味を表すようになったのだと考えられます。
ちなみに「為」という漢字は「爲」とも書いたりしますが、もともと日本では「爲」と書いていたのを最近の学校では「為」で教えるようになったので「為」の方が一般的になっていますが、どちらでも正解です。
ひらがな「ゐ」は草書(そうしょ)の「為」からきていますが、草書(そうしょ)の「為」を見ていただければ、そのまんま「ゐ」ですので、ひらがな「ゐ」のルーツはまる分かりだと思います。
楷書・行書それぞれに合わせるには
楷書(かいしょ)と行書(ぎょうしょ)に合うひらがな「ゐ」を考えた場合ですが、
・「楷書」は「直線的」に
・「行書」は「曲線的」に
です。
あんまり変わりませんが…そういった気持ちで書くことが大事です!。。
ヨコ書きの「ゐ」を考えた場合
ひらがなをヨコ書きで美しく書こうとすると、なかなか問題が多いと私は考えているのですが、
「ゐ」の場合は、さいわい右下への向きで終わる字なので、比較的ヨコ書きで右へ右へとはつなげやすい字です。
「ゐ」は字のつくり的に、タテでもヨコでもつなげやすい字だと考えます。
まとめ
- シルエットはオニギリの形
- 「ゐ」はひらすらクルクル回る
- 最初は水平だけど、すくい上げるように
- 途中で止(留)まるのもアリ
- 交差点は直角ぎみを意識
ひらがな「ゐ」のポイントは、グルグル回る動きの中に空間を意識することと「直角ぎみ」を心がけるようにすれば、あまりなじみの無い字ですが、必ず上手く書けるようになります。
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