綺麗な文字の書き方(90)【筆管から先に抜くクセを(毛筆の場合)】

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今回は前回の「筆から先に抜くクセを(筆ペンの場合)」の続きのような感じで、

「左ハライ」を上手く書く方法の毛筆版みたいなことです。

右利きが左ハライを書く場合というのは、手の構造上とても書きにくい画です。

私は最近、篆書(てんしょ)という書体の練習に励むようにしているのですが、

それで発見したことが、

【左ハライは特に、筆から先に抜くようにハラう】

と上手くいくことを発見したのです。

もう実際にやってもらった方が話が早いのですが、

篆書で左にくいっと曲げる画があります。

その画では最後にスッと抜くようにするとき、筆菅から抜くようにすると最後の収める部分「収筆」がとても上手くいくのです。

篆書の筆法で書くことが書の真髄の一つというのがあるのですが、

篆書の書き方を他の書体でも同じように書くと上手くいくのは本当の事だと実感できます。

楷書でも行書・草書・隷書でも、

左ハライを紙からスライドしてゆっくりとハラうようにするとき、

手首は固定したまま腕全体を上にスッと持ち上げるような動作をする、

進行方向に筆を進めた勢いのまま、筆菅から先に抜くようにする。

こういった動作は、左ハライ以外は比較的ラクに行えるので自然とやっているかもしれません。

逆に上手くいかない左ハライを追究したからこそ発見した部分とも言えます。

ペン字や筆ペンでもそうですが、左ハライは紙から離れる瞬間が隠れて見えなくなってしまいます。

だから無意識にでも手首を動かして見えるようにハラってしまいがちです。

そういった事を分かった上で、「筆菅から先に抜けるように左ハライ」をする。

さっそくやってみてほしい、必ず字が綺麗に書ける方法の一つだと思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。字は誰でも綺麗になれる!という想いから分かり易い美文字法を発信していきます。書を始めて30年以上、脱サラして書で身を立てるべく京都の住まいから地元鹿児島へ戻りさらに奮闘中!書の勉強の果ての日本語を美しく書けるようになりたい!百聞は一見にしかず。動画にて美文字の解説しております。下↓のYouTubeボタンから、または「SYODOUGA」で検索下さい。

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