綺麗な文字の書き方(98)【実際は7:3、気持ちは10:1】

美文字レターバックナンバー

これは毛筆での「太い・細い」線を引く力加減の話です。

書道展などの「書で競う」という事に関しては特に有効な、視覚的効果の一つであるコントラストを狙うという意味でも、

【線の太い・細いの落差がある】

と、メリハリが出てとても良いものです。

半切という紙のサイズ(床の間に掛けてある、掛け軸の代表的なサイズ)がありますが、

大きな紙にたくさんの字を並べて書いていく場合、線の太い細いのメリハリというのが、美しさの要素の一つでもあります。

そんなメリハリの出し方の一つの方法として、

【気持ちは10:1の割合で太い:細いを書く】

と良いです。

実際に書いている時は、

「あ、やりすぎてしまった…。」

というぐらいが、壁に掛けて鑑賞したときに良い感じになっている事がとても多いです。

そして気持ちでは10:1で書いても、実際は7:3ぐらいにしかならないものです。

逆にそれぐらいでやらないと、メリハリを出しているつもりでも出てないと同じという事が多いです。

性格的な部分もあるかと思いますが、私の性格がどちらかというと控えめな方の字だと思っています。

よく子どもの頃、男の子なのに「女の子が書くみたいな字」という事をよく言われていましたし、今でもそう思います。

だから厳しい字が書けない性根なのかもしれませんが、だからこそ10:1で書くぐらいでないとメリハリが出ないのかもしれません。

今回のこれは「私の場合は」という条件が付くかもしれませんが、

なかなかメリハリが出せないという方にはおススメの心がけの一つですので、そういった方にはぜひ試してもらいたいと思います。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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