綺麗な文字の書き方(53)【配置するエネルギーのバランスを考える】

美文字レターバックナンバー

配置するエネルギーなんてなんだか宇宙チックですが、

文字は基本的に、黒い線を書いて表されます。

「線の周囲を守って書いてください」

ということもお伝えしていますが、それと通じることです。

私が通っていた書道教室ではよく、

「魂を入れて書きなさい」

という事をよく言われていました。

魂とはそれ自体がエネルギーの塊とも言えると思いますが、

それを入れて書くということは、

書いた場所、引かれた線にエネルギーが発生するという事です。

そういった、ものすごく感覚的なことですが、

線の組み合わせである文字は、

エネルギーの塊という事になります。

逆に線の無い場所はエネルギーが無くて、

これは余白と呼ばれます。

このエネルギー配置のバランスをよく考えて書くことも、

綺麗な文字を書くためには必須の条件になります。

例えばヘンとツクリの文字はかなりありますが、

ヘンを太めに書いたら、ツクリは細めに書いたり、

(「偏」にニンベンを太く書き、ツクリの部分は気持ち細く書く)

上下に分かれる字であれば、上を細め下を太めに、

(「智」の場合、「知」は気持ち細く書き、「日」は気持ち太めに)

というように、部首パーツごとに備わっているエネルギー量というのを考えて書くこともとても大切です。

字の綺麗な形を捉えるという事も大切ですが、

「画数の多い少ないなどで、エネルギー量を理解して配置して書く」

という事を考えながら書くと、また一段上の綺麗な文字を書くことができるようになります。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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