カタカナ「ヰ」徹底解説
カタカナ「ヰ」のペン字の綺麗な書き方を徹底解説していきます。
「ヰ」…これはなんて読むの?!という方もいらっしゃるかもしれませんが、
カタカナ「イ」と同じく「イ」と読みます。
もう学校であんまり教えなくなったような気がしますし、今の50音の中からなくなったようです。
「ヤ」行で「ヤ・ヰ(イ)・ユ・ヱ(エ)・ヨ」と表記していましたが…
でも知っていてソンないですし、人にも自慢できますので、他のカタカナと同様に徹底解説いたします。
カタカナ「ヰ(イ)」ですが、一番のポイントは最後のタテ線を右へズラしてまっすぐ書くということです。
そういった点もふまえて説明してまいります。
シルエットはひし形をイメージして
まずは書く前のシルエットとしてとらえていただきたい形ですが、
カタカナ「ヰ(イ)」のシルエットは「ひし形」
をイメージすると良いです。
書きはじめる前のほんの一瞬、「ひし形」のカタチをイメージしてから書くように心がけると良いです。
1画目、少し右上がりに下を反らせて
まずは1画目、基本となる短いヨコの線(画)ですが
トンスートンをしっかり行って少し右上がり
にするのがポイントです。
トンスートンとは?というのはこちらの記事の中にある「楷書の基本であり極意であるトンスートン」で詳しく説明してあります。
そのトンスートンを行いながら、少し右上がりに書くのがポイントです。
ですが右上がりといっても、人間の身体のつくり上、自然と右上がりになってきます。
なので、少しの右上がりになるように右上がり具合をおさえながら書くことが実は大事なことです。
そして下に気持ち反らせて書くようにするともっと良いです。
1→2画目の見えない線を意識
次は2画目に移っていきますがその時に
見えない線をきちんと空中に書く
気持ちが大切です。
トンスートンの「おわりのトン」できちんと戻した動きのまま、
つながりを意識して空中に見えない線を書くようにすると良いです。
2画目、少し反りぎみにまっすぐ下ろして
2画目ですが、短めのタテの線(画)です、
まっすぐを基本に、ほんの少し反らせて
書くようにすると良いです。
1画目のスタート地点に戻ってきたら、
1画目と直角になるように、まっすぐを基本にして下ろしていきますが、
この時、画像のように少しだけ右を反らすように書くと良いです。
なぜ反らせるのか?については、後からも述べますが、
カタカナ「ヰ(イ)」は漢字の「井」(井戸の井)からできているためです。
2→3画目の見えない線を意識
3画目に移っていきますが、ここでも同じように、
見えない線をきちんと空中に書く
気持ちが大切です。
実際につながっていなくて大丈夫なので、つながる気持ちで書くことが大切です。
3画目、思い切って長く、1画目と向かいあうように
3画目、長いヨコの線(画)ですが、
・シルエットのからカドに向かって思い切って長めに引いて
・1画目と向き合うように逆に反らせて書く
ようにすると良いです。
「ヰ(イ)」の1画目と3画目のヨコの線は、少し右上がり(むしろ右上がりをおさえ気味に書く)に書くと良いのですが、
そこから1歩すすんで、1画目を下に反らせたら、2画目はその逆に上に反るように
気持ち向かい合うような形にすると良いです。
これは他の漢字の中に出てくるパーツでも、このようにして画と画を向かい合わせる、
呼(よ)んだら応(こた)えるような呼応(こおう)した形に書く、
ということはとても大切なことです。
ただ線をバランスよく配置する、というだけでなく、
配置した線同士が呼応するように書くことが、綺麗な文字を書くためにはとても大事なことになります。
3→4画目の見えない線を意識
最後の4画目に移っていきますが、ここでもまた同じように、
見えない線をきちんと空中に書く
気持ちが大切です。
「つながっているのだ」という気持ちを忘れてないようにして下さい。
4画目、中心から右へズラしてまっすぐに
4画目、「ヰ(イ)」の中でも一番大事で一番ムズカシイですが、
中心から少し右へズラしてスタートさせて
傾(かたむ)かないように、曲がらないようにまっすぐ!
がポイントです。
まっすぐに書く…というのは、本当にムズカシイです。
とくに文字が大きくなるほどムズカシクなってきますが、
コツとしてはゆっくりと書くことと、手を全体的に動かしながら、自分のおヘソに向かってジリジリと進めて書くような気持ちで行うと良いです。
こちらも参考にされて下さい。↓
「ヰ」の元ネタ、「ヰ」は「井」のほぼ全部から
ここでカタカナ「ヰ(イ)」の元になったネタをご説明しますと、
「ヰ(イ)」は漢字の「井」のほぼ全部から
できています。
漢字の「井」、井戸の「井」ですね。
カタカナ「ヰ(イ)」は漢字「井」のほぼ全部を取ってできています。
「ほぼ全部」としているのは、専門書とかでは「全部から」とはなっているのですが、
見た目では全部じゃないですよね…?
「井」の3画目の左ハライのタテ画は、なんだか短くなっています。
これはナゾですが、長い歴史の中で使い分け、漢字「井」と区別するためにこうなったのでは?と個人的には考えております。
カタカナ「ヰ(イ)」は漢字の「井」から。
雑学になるのでしょうが、ここを読んでいただいた機会に頭のカタスミで覚えておいていただけたらと思います。
楷書・行書それぞれに合わせるには
楷書(かいしょ)と行書(ぎょうしょ)に合わせるといった考えでカタカナ「ヰ」を考えた場合ですが、
・「楷書」は「直線的」に
・「行書」は「曲線的」に
です。
カタカナ自体、そもそも角ばった形なので自然と楷書(かいしょ)にマッチしてきます。
ですが「くずし文字」や「早書き」のような行書(ぎょうしょ)としてマッチさせるには、
画像のように書いている時の動きをいつも以上に意識して、流れるような気持ちで書くようにすると良いと思います。
ヨコ書きの「ヰ」を考えた場合
まとめ
- シルエットはひし形をイメージして
- 1画目、少し右上がりに下を反らせて
- 1→2画目の見えない線を意識
- 2画目、少し反りぎみにまっすぐ下ろして
- 2→3画目の見えない線を意識
- 3画目、思い切って長く、1画目と向かいあうように
- 3→4画目の見えない線を意識
- 4画目、中心から右へズラしてまっすぐに
カタカナ「ヰ(イ)」で一番心がけていただきたいのは最後のタテ線を右へズラしてまっすぐ書くということです。
カタカナの中でもまっすぐ書いて終わる文字は「ヰ(イ)」ぐらいです。
本当にタテ画はムズカシイので、それを分かった上で、ジックリゆっくり、自分のおヘソへ引きよせるように書くことが大事です。
カタカナ「ヰ(イ)」で練習・実践してみて下さい。
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