楷書が綺麗に書ける3つのコツ

楷書(かいしょ)

楷書が綺麗に書ける3つのコツ

ここでは楷書(かいしょ)を綺麗に書くことができる3つのコツを解説いたします。

楷書はムズカシイとよく言われますが、コツをしっかりと押さえることで綺麗に書くことができるようになります。

ちなみに楷書って何?という方はこちらの記事をどうぞ。

【1】タテ・ヨコ・ナナメをきちんと書く

タテ・ヨコ・ナナメの画ときちんと書く・・・なんて言いますと、そんなの当たり前でしょ?と言われそうなのですが、

実はここをきちんと意識して書くことが楷書を綺麗に書くコツになります。

おそらく大半の方がそうだと思いますが、学校で字を習うときは漢字ドリルなどを見よう見マネでひたすら書いて、記号として覚えると思います。私もそうでした。

それが悪いというわけではないのですが、記号として覚えるので必ずしも綺麗な書き方にはならないということです。要は我流ということです。

そんな我流であっても、

・タテはしっかりと垂直に。

・ヨコは水平を原則に少しだけ右上がりに。

・ナナメは45度を意識して。

という、当たり前だけど実際はできていない事を、きちんと意識して書くようにするこれだけで字は綺麗になってきます。

基本的すぎてここをきちんと教えてもらう事が少ないため、タテなのにちょっとナナメになったり、ヨコの右上がりがキツくなりすぎたり、ナナメも45度を外れたりする事が、字が綺麗にならない原因になります。

楷書は直線がメインで、基本的にこのタテヨコナナメの3つのどれかの線で構成されています。例外もありますが、まずはこの3つの線の角度をきちんと書くように意識づけることが、綺麗に書くコツになります。

【2】パーツごとにイメージして書く

楷書のコツの2つ目は、

パーツごとにイメージして書くです。

これは楷書である漢字というものは「ひらがな」や「カタカナ」と違って、画数が多いです。

画数が多いので、覚えるのも大変ですけど綺麗に書くのも難しいです。

そこでお伝えしたいコツが、パーツごとに分解して書くようにするということです。

 

 

 

 

 

 

例えば、ここに「愛」という字がありますがこの字は画数がとても多くて、ついつい上部分が大きくなってしまいバランスが難しい字です。

画像をよく見ていただくと、赤い三角青い四角黄色い台形の形を配置してあります。

この配置したそれぞれのパーツを意識して書くのも、楷書を綺麗に書くコツになります。

「愛」を書く時はまず、

赤い三角のパーツをイメージして、思いっきり上からカタカナ「ノ」と「ツ」を書くようにします。このとき、なるべく平べったくなるように書きます。

・次に青い四角のパーツをイメージして、カタカナ「ワ」と漢字の「心」を書きます。ここでも、タテ長にならないように、平べったくを意識して書くようにします。

・そして最後に黄色い台形のパーツをイメージして、カタカナ「ノ」「フ」そして「右ハライ」を書くようにします。

このように漢字をそれぞれのパーツに分けて、それをイメージして、それぞれをきちんと書いていくことで、結果的に字は整い、綺麗になってきます。

これは逆にいうと、パーツごとに分けて練習すると効率的に上手くなれるという事でもあります。

なのでぜひこの、

パーツごとにイメージして書く

を実践していただきたいです。

【3】楷書の基本であり極意であるトンスートン

楷書の基本に

「起筆(きしつ)」「送筆(そうしつ)」「収筆(しゅうひつ)

というものがあります。

これをよく音として表すのに

「トン」「スー」「トン」

というものがあります。

字を書いていく時に筆やペンを

「トン」と置いて(起筆)

「スー」と運んで(送筆)

「トン」と収める(収筆)

といった基本の動作を、きちんと行うことこそが楷書の一番のコツになります。

楷書では一画一画をこの「トンスートン」で書いていくのですが、

この「トンスートン」をかたくなに守ることが楷書の基本であり、そして極意でもあります。

そしてこの「トンスートン」はすべての画で行われないといけません。

「点」でも「右払い」でも「左払い」でも、です。

「トン」と置いて(起筆)

「スー」と運んで(送筆)

「トン」と収める(収筆)

の3動作をすべての画で行うこと!

「右払い」とか「左払い」とかは「払う」から3動作は無理があるのでは?

と思うかもしれませんが

3つめ最後の「トン」を

「払う動作はするけど、画として収める気持ち」

で書いてください。

これがすごく大事なことで、3つのコツの中で一番地味ですが、一番大事なことです。

ちなみに、「収筆」を「終筆」と言ったりもしますが、「画」としては確かに「終わり」なのですが、

あくまで「収める」を意識して書いていただきたいです。

「終わる」だと、字としての流れが途切れてしまいがちになってしまいます。

この3動作は言いかえますと「ケジメ」とか「節度」みたいなことになります。

人間関係と同じで、「ケジメ」や「節度」はすごく大事で特に「終わり良ければすべて良し」というように「収筆」という最後の仕上げはとても大事なことです。

礼儀とか礼節とかにも通じて来るように、最後は敬礼の気持ちで終わらせるとかそういった気持ちが大事です。

飛行機にしても地上から飛び立つ離陸も重要ですが、それ以上に着陸するときはもっと大事という、物事を終わらせる・収めるときというのは、いろんな事に通じる大切なことで、それと同じだと思います。

なので最後まで気を抜かずに意識を集中させて、「収める気持ち」で書いて次の画に移ることが一番大事なコツになります。

トンスートンは筆文字だけでなくペン字でも「必ず」意識する

なのでこの「トンスートン」は筆で書く時だけでなく、

ペン字で書く時もこれを守ること

こそが楷書のコツ、いえ極意と言えます。

ペン字なので筆文字とは違って、小さな動きになりますがこの「小さな動き」こそが大きな違いになり、それが美文字かそうでないかを決定づける要素のひとつになります。

そこを意識して、お手本をよく見てみればすべての画で「トンスートン」が行われているはずです。

何度も言いますが、

「収筆」をとことん意識して、次の画に移るようにして下さいね。

紙から筆(ペン)が離れる時こそがホントに大切なんです

そしてさらに、私がこのブログを通して一番知っていただきたいことの一つに

「収筆」が終わって、紙から筆が離れるときのこの瞬間がものすごく大事なんです!!

という事を強く言いたいのです。

始めのうちは、ここに全神経を集中させてほしいのです。

クロからシロに切り替わる、とかいわゆる分岐点みたいな瞬間になるのですが、ここで気を抜かないこと。意識を集中させておくこと。

が何事にも通ずる奥義のようなことだと私は考えます。

だいぶ哲学的と言いますか、観念的ですが

ここを意識することで、絶対に美文字になれるとこれだけは断言できるぐらい超重要なことです。

まとめ

  • タテヨコナナメをきちんと書く
  • パーツごとにイメージして書く
  • 楷書の基本であり極意であるトンスートン

ここでは楷書のコツを3つお伝えしてきました。

この3つすべてをそれぞれ心がけるだけで、楷書として書く場合もかなり効果があると思います。

中でも3つ目のトンスートンは

「ケジメ」を守って、最後まで気を抜かないこと

ということになりますが、これって何にでも通用するようなことだなと思います。

当たり前のことを当たり前にするだけで、良いことや理にかなったことに繋がっていくのかなと思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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