少し、今回の話は概念的で難しいかもしれないのですが、
筆で文字を書くことで一番忘れてはいけないことは、
【中峰(ちゅうほう)で書く】
という事です。
中峰とは、どんな線(点や画)であっても、
筆の一番長い毛(命毛)の部分が、
【線の中心付近にいること】
ということです。
なので、
【中峰(ちゅうほう)=長い毛(命毛)が線の中心を通る線】ということを、
「絶対に」忘れてはいけないです。
これを分かった上で「力が漏れてはいけない」というのは、
中峰で書くことのテクニックな事です。
長い毛(命毛)が線の中心を通って書いている時は、
一番長い命毛(いのちげ)はもちろん線の中にいるわけです。
ですが書いていると結構な頻度で命毛が外にはみ出てしまうという事があります。
篆書(てんしょ)を書くときにはこれは絶対にNGなことなのですが、
ほかの書体であっても良いことではありません。
ではそのはみ出ない書き方というのは?という事になりますが、
一言で言うと、
「あまり力を加え過ぎない」
という事が言えます。
筆で字を書くことの難しさの一つはおそらくここにあると思うのですが、
その絶妙な力加減、
命毛がはみ出ない=力が外に出ない書き方というのは、
たくさんの練習の中で、身体で覚えるしかないのだと思います。
ですがこれを知ってやるのとやらないのでは大きな差でもあると思いますので、
頭の片隅にでも置いていただいて、練習するのも良いと思います。
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