【行書を書く時に絶対に知っておいてほしいこと】「速く」ではなく「早く」

行書(ぎょうしょ)

まず行書って?楷書との違いは?

今回の記事は

行書とは何か?

行書と楷書の違いとは?

について少しお伝えしたいことを書いていこうと思います。

行書とは「楷書(かいしょ)の点画を省略した漢字のひとつの種類」です。

ざっくりとはこうなります。

おそらく(義務教育の)中学校になった時に、毛筆の授業で少し習った覚えはないでしょうか?(私はかすかに覚えがある気がします…。)

別名でちょっとくずした文字(ちょいくずし文字)と私は勝手に読んだりしていますが、

行書とは別に、漢字の書体に草書(そうしょ)というのもありますが、これは本気のガチなくずし文字です。

江戸時代とかにはこの文字やら、そこから派生した「ひらがな」とのミックス文章で書かれているので、

何て書いてあるのがまったく分かりません。学者さんや研究者さんしか解読できない、古文書ですね。

そこを行くと、行書(ぎょうしょ)は楷書をフォロー(補完)するような意味合いで、長い歴史の中から出てきた文字です。

早く(速く)書けるし実用的なので、

大昔の中国から長い永い歴史的にみても、行書を上手になることが最上とされています。

(逆に楷書(かいしょ)とは?についてはこちらの記事をどうぞ。)

楷書(かいしょ)と行書(ぎょうしょ)の違いとは、

・楷書(かいしょ)=画と省略しないで、一画一画丁寧に書いた漢字の一種

・行書(ぎょうしょ)=画と省略することがあって、流れるような動きで書いた漢字の一種

となります。

厳密にいうと、もっともっといろいろあるのでしょうが、

一般的な違いとすればまずはこの部分を分かっていれば良いと思います。

「速く書く」のではなく結果的に「早く書けてる」

実用的に書くことのできる「行書(ぎょうしょ)」。

ちょいくずし文字、とか私は勝手に読んでいますが、

行書を書くときに、一つだけ注意してほしい事をお伝えします。

それは、

速く書かないように気をつける

ということ。

「え?はやく書ける実用的な文字なんだから、速く書くんじゃないの?」

と言われそうですが、

速く書くのではなくて、結果的に早く書けているのが行書なのです。

スピードの速さではなくて、時間の早さが「はやい」「はやく」書ける書体だということを忘れないようにしていただきたいのです。

ただ、ペン字で書くとき、たとえばテスト中であれば、このことはあまり気をつけなくても良いです。

(というかそもそもタイムアタックなのでそんな場合じゃないので)

署名で書くときや、硬筆の清書などのここ一番でいざ書くとき、

「速」ではなく「早」だということを忘れないように心がけて書くことが本当に大事です。

特に、毛筆や筆ペンで書く時はもっと大事になります。

書道の極意の一つに、

紙に毛がカラみつくこと

があります。

文字どおり、墨をふくんだ毛先が紙と良い感じにカラんで引かれた線というのは、

厚みが出てハガネのような良い線になります。

引くとか書くというより、刻まれるような欠いた線になります。

このカラミツキが起こる前に速い動きで筆を動かすと、線はうすっぺらいモノになり、なんだかペラい字になってしまいます。

仮名(かな)はさらにこのことを深く分かっていないといけないと思います。

ぜひこのことを心のどこかに置いて、字を書くように心がけるようにすると良いと思います。

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田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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