ひらがな「る」徹底解説
今回はひらがな「る」です。
ひらがなの「る」は「ろ」とそっくりな字です。最後が少し伸びただけの字です。
なのでひらがな「ろ」の記事を、ぜひ読んでいただいてからこの記事を読んでいただけるとありがたいです。
シルエットは逆五角形
ひらがな「る」のシルエットは「ろ」と同じ逆五角形になります。
雫(しずく)の形と言いましょうか、上が小さくて下に広がるような形になります。
最初はすくい上げるように
「る」は1画しかありませんが、大きく分けて4つのパーツに分かれます。
1つめのヨコ画は「少しすくい上げるように書く」と良いです。
これはこちらの記事でも書いたヨコ画は
・「若干右上がりに書くのがコツ」
・「その角度は6度(時計の針でいうと14分の角度)」
の2つのポイントと同じことなのですが、すくい上げるように角度をつけて書くと良いです。
ナナメ画はタテ気味に
続いて2つめのパーツのナナメに折り返す画ですが、この画はあまり寝かして書かずにタテ気味に書くと良いです。
「ろ」もそうですが「る」の重心は左下になります。
こちらの記事にも書きました「重心」という事を意識することも大事です。
折り返し箇所に注意
「ろ」と同じく「る」でも、書く時の一番のポイントが
「折り返すトコロに注意する」です。
2か所ある折り返しポイントで「アクセント」を付けるように意識すると良いです。
単調になりやすい「ひらがな」ですので、この2か所の折り返しポイントでメリハリをつけるように心がけると良いです。
長いキョリは一度止めるのもアリ
3つめと4つめのパーツになりますが、「ろ」と違って「る」の一番ムズカシイ所です。
キョリの長い曲がった線をグルグルと書かなくてはいけないので大変です。
一度止める(留める)のもアリです。
途中までは「ろ」と全く同じですので、「ろ」の最後を一度止め(留め)て最後を書くようにすると上手く行きます。
2つの空間を意識する
3つめと4つめのパーツの2回転を書くときは、2回〇を書くということになりますので、それぞれの〇の空間を意識すると良いです。
2つめの〇は、「〇の中に〇を書くイメージ」です。その中の〇は三角に書くと良いですが、あまりこだわりすぎなくてもいいです。
「る」は「留」漢字の成り立ち
ひらがな「る」の書体の流れは以下のとおりです。
「る」の元になった漢字「楷書」は「留」です。
この文字は篆書を見ていただくと分かるのですが、「田んぼのあぜ道を表している文字」です。いわゆる「仕切り」みたいなものです。
田んぼは水を溜めて作りますので、その水がこぼれないように仕切りが必要です。仕切りの部分であるあぜ道が水を「留める(とどめる)」ので「留める」という文字ができました。
草書(そうしょ)を省略しまくったのが「ひらがな」ですが、「る」の場合、最後の2回転の部分は「田んぼの田」なのです。
なので逆を言えば「田んぼの田」の省略した部分だから2回転しているとも言えるのだと思います。
私自身、2回転部分は苦手なので避けたい文字ではあるんですが、こういったルーツを知ってしまうと納得させられてしまいます。苦手ですが…。
それで、草書(そうしょ)のルーツを押さえた上でいろんな書き方ができます。
お手本の「る」は私自身あまり好きではないのです。
なのでルーツを拠りどころにしてポイントを守りながら、いろんな書き方を考えることが大事だと思います。
楷書・行書それぞれに合わせるには
楷書(かいしょ)と行書(ぎょうしょ)に合うひらがな「る」を考えた場合ですが、例によって
・「楷書」は「直線的」に
・「行書」は「曲線的」に
です。
「ろ」とあまり変わりませんが、心がけることが大事です。
ヨコ書きの「る」を考えた場合
問題のヨコ書きの「る」を考えた場合ですが、「る」は「ろ」と違って最後を巻き込んで終わる字です。
なので比較的ヨコ書きしやすい字だと考えます。
それから、最後の巻き込みの部分は小さくまとめて、次に繋がるように書くと良いです。
まとめ
- シルエットは逆五角形
- 最初はすくい上げるように
- ナナメ画はタテ気味に
- 折り返し箇所に注意
- 長いキョリは一度止めるのもアリ
- 2つの空間を意識する
- ヨコ書きは最後の巻き込み部分を小さく
一番重要なのは折り返しの2か所でアクセント、この部分さえ心がけて普段書いていけば美文字になると思います。
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