【白いスペース(余白)を意識すると良いこと】綺麗な字の書き方

書全般

空間を意識してみましょう

今回は、空間を意識してみましょう、というお話です。

この「空間の意識」ということは、美文字のコツであり極意でもあります。

書く前に書くトコロを見てみる

空間の意識の前に、どんな時でも

「書く前に書くトコロを見てみる」

ことを心がけていただきたいのです。

私はいつも忘れがちなのですが、字を書くトコロをロクに見ないで(把握しないで)書き出してしまって失敗する…ということがもの凄く多いのです。。

一字目が大きくなりすぎて、最後の字が小さくなってしまったりとか…書道あるあるなのかもしれませんが。。

なので自分に言い聞かせています。

「書くトコロをよく見てから、書き出せ」と。

書く前の準備がしっかりできていないとダメなんです。

書く字をしっかりイメージすること。

「一知半解(いっちはんかい)」という言葉があるんですが、

これはそのままの意味で、ちょっとだけ知った気になって全部を把握しないで行ってしまうということなんですが、これではダメなのです。

書かれる空間はこれだけあって、ここにこう字を置いて、ここの画は伸ばす、だとかここを目立たせる、というような

設計図をしっかり頭の中で書いてから書き出すことです。

私は技術者の仕事をしていましたが設計だとかコンセプトがしっかりしていないモノはダメで、それと同じだと考えます。

なので

「書く場所の空間を把握して、書く字をしっかりイメージしてから書く」

ように心がけていただきたいのです。

一字一字に必要な面積がある

それから、一字一字ごとに「必要な面積」というのがあります。

書道用語に「字座(じざ)」というのがあるんですが、

これは「ひとつの文字が場所を取る広さ」ということになります。

字は一字一字ごとに画数も違えば形も違うわけで、

当然「場所を取る広さ」が違います。

なのでこの「場所を取る広さ」がある程度同じになるように書かれなければ、

美しい文字、美しい文章になりません。

でもこの「場所を取る広さの調整」がとくに

漢字の「楷書(かいしょ)」においてムズカシイことなのです。

こちらの記事で書いています

・楷書だけを並べてキレイに書くのは、書道の中では一番ムズカシイ…

・さらに「ひらがな」「カタカナ」を混ぜて上手く調和させて書くことのムズカシさったらない…

ということに繋がってくることなんですが、この「字座(じざ)の調整」をコントロールして書くことが美文字の極意だと私は考えます。

なので、書く場所はモチロンのこと

「一字一字も空間を意識して書く」

ように心がけることが、すごく大事なことなのです。

また、「場所を取る広さ」の外の部分は「余白(よはく)」ということになりますが

この余白も字の一部なのです。

これもとても大事なことなので意識するとさらに良いです。

そもそも書く前には書き終わっている

私は、字って書く前にもう書き終わっているとよく思うんです。

なに矛盾したことを…と思うかもしれませんが。

書かれる字って書く前にすでに決まっていて、

例えば、多くの方が「自分の名前」を人生の中で一番書いていると思います。

そしてその「名前」ってある程度どう書くかが決まっていて、書くトコロを占める場所も決まっています。

書こうとする時に「心の所作」ですでに書かれていると言っていいのかもしれません。

自分の名前を署名するときも書き慣れた自分の名前なので

無意識のうちに今まで書きこなしてきた字で書いていくはずです。

なのですでに決まっていて、後は脳みそで制御されて筋肉で書かれていくわけです。

まとめ

  • 空間を意識してみましょう
  • 書く前に書くトコロを見てみる
  • 一字一字に必要な面積がある
  • 余白も字の一部
  • そもそも書く前には書き終わっている

逆説的で矛盾しているような気がして、なかなか言葉では表現しづらいのですが、

心の中では書かれる字は、すでに出来ていて、

書かれる出力の際に、書く場所を把握して書く

ように心がけていただきたいのです。

書く前に一瞬チラ見するだけでも良いので、

書かれた後をイメージしながら書く練習を心がけていただきたいです。

本気で書を学びたい方のみ、ご覧下さい。

田畑明彦

田畑明彦

在野の書家。書壇からは距離を置いて独り書の道を追求しています。質屋大学書道科にて現在も勉強中。その成果を地道に発信していきます。

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